こんにちは、仏壇リメイク「結壇(ゆいだん)」の稲垣亘佑です。
仏壇じまいにおいて、本体と同じくらい(あるいはそれ以上に)悩ましいのが「お仏壇の中身」の整理です。
長年、手を合わせてきたお位牌や遺影を前にして、「これはどうやって手放せばいいのか?」と戸惑ってしまうのは、ごく自然なことです。
今回は、お仏壇の中に納められている品々の、正しい手放し方と心の整理のつけ方を解説します。
まずは「魂抜き」を
仏壇を処分する際、まず欠かせないのが僧侶による「魂抜き(閉眼供養)」です。
本来、魂抜きは仏壇本体というよりも、中に納められた「ご本尊(仏像や掛け軸)」「お位牌」「お札」など、魂が込められた対象に対して行う儀式です。
仏壇本体や、その中に並べられる仏具自体には魂は込められていないため、ご家族の判断で処分しても問題はありません。
しかし、多くの方は心情的な面から、仏具を勝手に処分することに対して気が引けるようで、僧侶の魂抜きを経て、仏壇と一緒に整理する方がほとんどです。
それでは次の章から、仏具別に整理の方法を見ていきましょう。
ご本尊(仏像・掛け軸)
お仏壇の中心にお祀りされるご本尊は、魂抜きの対象となる、とても大切なものです。
魂抜きが済んだあとは、まずは菩提寺(お付き合いのあるお寺)に相談し、引き取ってもらうのが最も安心です。
それがむずかしい場合は、仏壇と一緒に業者へ依頼するのが一般的です。
お位牌
位牌を手放す場合は、お寺の位牌堂に預けて永代供養をしていただく。あるいは仏壇業者に引き取ってもらい、合同供養ののちに仏壇と一緒に処分します。
- 残す場合
仏壇は処分しても、お位牌だけは手元に置いておきたいという方も少なくありません。
- まとめる場合
お位牌の数が多い時は、複数の戒名を一つにまとめられる「回出位牌(くりだしいはい)」に作り替えたり、「〇〇家先祖代々」のお位牌を新たに一つ設けたりして、コンパクトにお祀りしなおすケースも増えています。
古いお札やお守り
仏壇の引き出しなどから古いお札やお守りが出てくることがよくあります。これらも魂抜きをした後、仏壇と一緒に引き取ってもらって構いません。
もし気になる場合は、近くの神社の「古札納所」へお納めするのも一つの方法です。
遺影写真
遺影にはそもそも「魂入れ」がされていないので、魂抜きの儀式は必須ではありません。
しかし、ご家族の「念」が込められた大切なものですから、丁寧に扱いたいところです。
引取業者に相談すれば、仏壇と一緒に引き取ってもらえますが、中の写真はスキャンしてデジタル化したり、L判サイズにリサイズしたりして、身近な場所に小さく飾る方も少なくありません。
もしご自身で整理される際に抵抗がある場合は、白い紙に包んでお清めの塩を一振りしてから自治体のルールに従って出すと、気持ちの区切りがつきやすくなります。
その他の仏具
ここまでは、魂が込められるもの、あるいはそれに準ずるものについて解説してきましたが、それ以外にも、仏壇の中やその周りには、さまざまな仏具が並びます。
大きく以下の4つに分けられます。
- お供えのための仏具
→花立、火立、香炉、仏飯器など
- 音を出すための仏具
→りん、木魚など
- お荘厳(かざり)のための仏具
→燈籠、瓔珞、りん灯りなど
- 仏壇の外にある仏具
→経机、座布団、床掛軸、盆提灯など
これらは魂が込められるものではないため、ご自身で「ゴミ」として自治体のルールに沿う形で整理しても問題ありません。
しかし、多くの方は「ただのモノ」とは割り切れないため、魂抜きの儀式のあとに仏壇と一緒に引き取ってもらうケースが多いでしょう。
※業者に依頼する場合、仏具の量によって別途費用がかかることがあるため、事前の確認をおすすめします。
引き出しの奥に眠る「忘れ物」
お仏壇を引き取る際、実は最も注意が必要なのが、引き出しの奥などに残された「大切な忘れ物」です。
お仏壇は古くから家庭内の「金庫」のような役割も果たしてきたのです。
作業を業者に任せる前に、以下の品が残っていないか必ず最終確認を行ってください。
- 貴重品: 現金、預金通帳、実印、貴金属
- 重要書類: 土地の権利書、保険証券、遺言書、家系図
- 思い出の品: 古い写真、手紙、形見
特に、一見すると何も入っていないように見える「隠し引き出し」や、中段の裏側に書類が挟まっているケースも珍しくありません。
すべてを空にしたつもりでも、もう一度だけ隅々まで手を通してみてください。
おわりに
仏壇の中身の整理について、お分かりいただけましたでしょうか。
私たち「結壇」では、お引き取りしたお仏壇に対して必ず信頼のおける僧侶による供養を行い、「供養証明書」をお届けしております。
また、処分するだけではなく、大切なお仏壇の一部を活かして、新しい暮らしの中でもお位牌や写真を身近に置いておけるコンパクトな祈りの場「結壇」へのリメイクも展開しています。
「形を変えても、想いをつなぐ」
お仏壇の中身の取り扱いについて、もし少しでも不安を感じるなら、まずはお気軽に私たちにご相談ください。